日本NO.1のネットオークションサイト「ヤフオク!」と、近年利用者が急増中のネットフリマアプリ「メルカリ」。どちらも、ネット上で簡単に売り買いができるサービスですが、その仕組みには大きな違いがあります。
「ヤフオクとメルカリを使うならどっちが便利?」
「取引をするならどっちがお得?」
このような疑問を解決するために、今回は基本の使い方からその仕組みまで、詳しく解説していきます。
ヤフオクとメルカリって何が違うの?どっちが人気?違いを徹底比較
ヤフオク!は、ヤフー株式会社が1999年から開始したネットオークションサイトです。最近では、価格が変動しないフリマ出品というサービスも追加されました。国内のECプラットフォームでは最大級の規模を誇ります。
メルカリは、個人間で自由に売買ができるネットフリマサービスです。サービス開始は2013年。まだまだ歴史は浅いですが、着々とユーザーを増やしています。スマホひとつで簡単に出品できるとあって、パソコンを持たない主婦や若年層が多く利用していることが特徴です。
両者ともECという大きな枠組みでは同じシステムですが、扱う商品や使用方法が大きく異なります。
では、ヤフオク!とメルカリのサービスを比較しながら見ていきましょう。
利用者層や販売スタイルを比較!
ヤフオク!もメルカリもネット上で個人が商品を売り買いできるECプラットフォームです。しかし、その販売形式はオークションスタイルと、シンプルなフリマスタイルに分かれています。
ヤフオク! | メルカリ | |
販売形式 | オークション出品
フリマ出品 |
フリマ出品 |
メインユーザー層 | 30~40代男性 | 20~30代女性 |
取引形態 | BtoC、CtoC | CtoC(業者不可) |
メイン端末 | パソコン | スマホ |
ヤフオク!もメルカリもネット上で個人が商品を売り買いできるECプラットフォームです。しかし、その販売形式はオークションスタイルと、シンプルなフリマスタイルに分かれています。
オークション出品とフリマ出品の違いって?
オークション出品とは、複数人が金額を競い「最も高い金額で買う」と提示した人が商品を購入できるシステムです。金額を提示することを「入札」、最も高値を提示して買えることを「落札」と言います。
オークションでは、限定品で世に出回っている数が少ない商品や、もう製造されていないようなレアな商品は、高値で取引されていることが多くあります。人気があればあるほど価格は上昇していくため、販売側にとっては嬉しい仕組みです。価値がある商品を安値で売ってしまうような失敗はなく、最適な価格で販売できることがメリットです。
そんな、オークションがメインのヤフオク!ですが、競売せずにそのまま購入できる「即決価格」というものもあります。価格変動がなく、オークション終了時間まで待たなくてもすぐに買える仕組みになっています。価格を決めて売る方法を、フリマ出品とも言います。
一方、メルカリにはオークションのように価格変動はなく、販売者側が自由に値付けをします。主に家に眠っている不用品を販売しているため、ネット上のフリーマーケットという位置づけです。
メインユーザー層がまったく違うヤフオクとメルカリ
まず押さえておきたいポイントは、ヤフオク!とメルカリのメインユーザー層の違いです。
ヤフオク!は、PC操作がメインであること、レアアイテムやコレクション・趣味関連のものを多く扱うことから、30・40代の男性が多く利用しています。
一方、メルカリのメインユーザーは、20・30代の女性が多い傾向にあります。理由は、家にある不用品や中古品を売りやすいこと、PCをもっていなくてもスマホから簡単に出品できることが挙げられます。また、個人間のやり取りを企業が仲介してくれることで、安心して売買できることも要因のひとつでしょう。
ヤフオクは業者も出品可能だから商品が豊富
ECビジネスには、BtoB(企業と企業)、BtoC(企業と個人)、CtoC(個人と個人)と3つのタイプがあります。例えば、お店で商品を買うのはBtoC(企業と個人)の取引です。
この視点で見てみると、ヤフオク!はCtoCの取引だけでなく「ストア出店」と言われるBtoCも存在します。業者の中には、転売を専門としている個人事業主や古物商も存在します。
そのためヤフオク!の市場は、商品の種類が豊富で、同じ商品でもサイズ展開が充実しています。
対して、メルカリは完全な個人間ECです。品揃えや出品数は限られてきますが、利益目的の業者が参入していないため、初心者でも安心して参加できることが魅力のひとつでしょう。
メルカリはスマホでしか操作できない機能もある
両者の違いは、メインデバイスにも違いがあります。ヤフオク!はスマホが誕生する前からサービスを提供していたこともあり、PCで操作することを前提に設計されています。スマホアプリでも出品しやすくなっていますが、細かな設定が多い場合はPCの使用が便利でしょう。
一方、メルカリはスマホ操作がメインです。PCでも使えますが、機能は限られています。例えば、ゆうゆうメルカリ便を使って発送した場合、その取引をPCで行おうとすると「お取引はアプリからお願いします」と表示されます。
スマホにはあるのにPCにはない機能もあります。
例えば、
・出品ページを下書きする
・商品説明欄にテンプレートを使用する
・ゆうゆうメルカリ便やらくらくメルカリ便で発送する
・写真の色味や明るさを変更する
このように、メルカリは徹底してスマホユーザー向けにつくられていることが特徴です。
手数料や登録料を比較!
手数料とは、出品した商品が売れた時に企業に利用料です。両者とも、販売価格の10%が手数料として引かれます。ただ、ヤフオク!に関してはYahoo!プレミアム会員であれば、その手数料が8.64%になります。
登録料は、ヤフオク!もメルカリも無料です。出品するだけなら料金はかかりません。しかし、ヤフオク!ではYahoo!プレミアム会員になると月額料金がかかります。
ヤフオク! | メルカリ | |
利用手数料 | 会員8.64% 非会員10% | 10% |
登録料 | Yahoo!プレミアム会員になるなら、月額462円 | 無料 |
手数料とは、出品した商品が売れた時に企業に利用料です。両者とも、販売価格の10%が手数料として引かれます。ただ、ヤフオク!に関してはYahoo!プレミアム会員であれば、その手数料が8.64%になります。
登録料は、ヤフオク!もメルカリも無料です。出品するだけなら料金はかかりません。しかし、ヤフオク!ではYahoo!プレミアム会員になると月額料金がかかります。
大量出品するならヤフオクがお得!Yahoo!プレミアム会員とは?
Yahoo!プレミアム会員とは、ヤフーが提供している有料の会員制サービスです。Yahoo!ショッピングやコンビニ、飲食店などで使える割引特典やクーポンなどが多数発行されています。
使えば使うほどお得になるので、ヤフオク!でたくさん出品するなら、会員になったほうが利益UPに繋がります。
例えば、販売価格1000円の手数料は、非会員100円、会員86円になります。規模が小さければ差額は微々たるものですが、販売価格総額が100万円にもなると、非会員は100,000円、会員は86,400円の手数料です。その差額は、13,600円にもなります。
また、Yahoo!プレミアムに入会すると、ヤフオク!の機能が増えるというメリットもあります。
・出品ページの下書き機能の追加
・価格設定「定額」の機能の追加
・送料の着払い設定が可能
・複数の配送方法設定が可能
・自動再出品など無料オプションが使用可能
・有料のPRオプション設定が可能
このように、機能が増え出品しやすくなるだけでなく、広告掲載や出品ページの装飾など、PR手段が増えることも嬉しいポイントです。
発送方法と料金を比較!
商品の発送は、両者とも専用の発送方法を利用することができます。
ヤフオク!出品者負担 | ヤフオク!落札者負担 | メルカリ出品者負担 | メルカリ購入者負担 | |
専用の発送方法 |
|
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着払い | |
発送料 |
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料金設定不可 |
ヤフオク!のヤフネコ!と、メルカリのらくらくメルカリ便は、クロネコヤマトと提携している発送方法です。ゆうパケット及びゆうパック、ゆうゆうメルカリ便は、日本郵便と提携している発送方法になっています。全国一律料金であることが特徴で、指定すれば匿名発送も可能です。
発送料は購入者負担が当たり前のヤフオク
発送料金の設定に関しては、ヤフオク!とメルカリで独自の風潮があります。ヤフオク!では、発送料金を落札後に設定することができるため、発送料金を販売価格に含まずに提示することが一般的です。落札者は、落札価格に追加して発送料金を支払うことになります。
メルカリは発送料込みでの出品が当たり前
メルカリでは、発送料金を出品者負担にして提示する風潮があります。購入者負担に設定することもできますが、発送方法は着払いのみになります。
着払いは郵送料金が把握しづらいため、購入されにくいという弱点があります。メルカリに出品する際には、発送料金込みの価格を提示するほうが有利と言えます。
出品しやすさを比較!出品方法や機能の違い
出品機能は、ヤフオク!もメルカリもシンプルで分かりやすい設計になっています。
画像をアップロードし、商品説明を記入、各種設定を行えばすぐに出品できます。しかし、PCがメインのヤフオク!と、スマホメインのメルカリでは、設定できる項目の量や機能の充実さが、大きく異なります。
ヤフオクはPCでの出品がメイン。充実した機能とオプションも豊富
PCであれば、文字の入力や複雑な設定が容易に行えます。そのため、ヤフオク!では設定できる項目が多く、オプション機能も豊富です。
商品説明欄に記入は通常の文字入力に加え、デザイン装飾が可能なHTMLタグ入力もできます。文字の色やサイズを変更することはもちろん、表のようなデザインにしたりイラストを挿入することも可能です。
オークション形式の出品では、PRオプションがあります。出品ページのタイトルを他の商品よりも目立たせたり、検索された時に上位に表示することができます。入札を増やすために様々な工夫ができることが特徴です。
マイページは目的別に各フォルダがあり、やるべき作業項目を整理しやすくなっています。「買う」と「売る」で大きく別れていて、進行状況別に振り分けられています。
メルカリはスマホで簡単に出品しやすい手軽さがウリ
メルカリはスマホメインで操作するため、シンプルな構成になっています。初心者でも感覚だけで出品できる分かりやすさが魅力です。
商品説明欄は1件ずつ記入していく方法がスタンダードです。同じような商品を出品する場合には、自分でつくったテンプレート文を当て込むこともできます。商品カテゴリーや発送方法などの設定は、ヤフオク!ほど細かく設定されておらず、簡易化されています。スマホで出品しやすいように、項目が絞られていることが特徴です。
発送や入金などの必要な作業は「やることリスト」というページにまとめられています。目的ごとには振り分けていないので、やるべきことがすべて一括でチェックできます。シンプルな構造なので、発送忘れや評価漏れを防ぎます。
支払い方法や安全性を比較!
支払い方法は、クレジットカードやコンビニ払いなど基本スタイルは同じです。異なる点は、それぞれの企業が専用で用意している支払い方法があります。
ヤフオク! | メルカリ | |
支払い方法 |
|
|
入金タイミング | 購入者の受取評価後、または購入から14日後(ストアとの取引は即入金) | 購入者の受取評価後 |
Yahoo!マネーとは、ヤフオク!での売り上げ金をチャージできるシステムです。チャージや支払いを行うとTポイントが貯まるお得な支払い方法になっています。
メルカリでは売上金を使ってすぐに買い物ができます。メルペイにポイント換算されると、コンビニや各種店舗でも使用できます。
売上金払いができるメルカリは売り買いが循環されやすい
メルカリでは、不用品を売ってその利益で必要なものを買うことができるため、メルカリ内でお金が循環されやすい仕組みになっています。欲しいものがあれば、家にある要らないものを積極的に出品する人も多くいます。
入金タイミングには注意!自己責任範囲が大きいヤフオク
両者の大きな違いは、入金のタイミングです。メルカリでは、購入者が受取評価しない限り、出品者への支払いは行われません。メルカリが仲介に入ることで、個人間でも安全に取引できる仕組みになっています。
一方、ヤフオク!では購入者が受取評価しなくても14日後には出品者に支払われるシステムになっています。支払い金額は一時的にヤフオク!が預かる形式になっていますが、その期間は14日間に限られます。「商品が届かない」などの不備があった場合は、購入者が自己責任で管理する必要があります。
使いやすいのはどっち?ヤフオクとメルカリの比較まとめ
これらの比較を踏まえて、機能やサービスの特徴をまとめて見てみましょう。
ヤフオク! | メルカリ | |
気軽さ | 〇(落札方法など多少知識が必要) | ◎(スマホで簡単) |
見やすさ | △(機能が多い) | ◎(機能がシンプル) |
稼ぎやすさ | ◎ | ×(大量出品禁止) |
機能面の充実さ | ◎ | △ |
安心・安全 | 〇(ごく稀に詐欺に注意) | ◎ |
集客力 | 〇(外部リンクが多い) | ×(関連サイトがない) |
売買のスピード | △(落札まで時間がかかる) | 〇(即購入できる) |
企業サポート | 〇(自己管理も必須) | ◎(補償がある) |
これらの比較を踏まえて、機能やサービスの特徴をまとめて見てみましょう。
気軽さや見やすさといった点では、メルカリが優勢でしょう。スマホメインのサービスということもあって、シンプルな構造で使いやすいことが魅力です。ヤフオク!は、各種サービスや機能が豊富なため、使い慣れるまでに時間がかかると言えます。しかしその分、売上に繋がりやすいという利点もあるでしょう。
集客力という点では、ヤフオク!は検索サイトYahoo!JAPANを主体とし、様々なリンクを辿ってユーザーが集客しやすくなっています。ヤフオク!を使ったことがなくても、フラッと見に来るユーザーも多いと考えられるでしょう。
企業サポートとは、安全に取引できるようにどれだけ企業がバッグアップしてくれるかといった点です。メルカリでは、大きなトラブルになり兼ねないと判断された場合、売上金や支払い代金を補償してくれることもあります。一方、ヤフオク!は誰もが参入しやすいこともあって、自己管理の範囲が大きいことが特徴です。
【結論】ヤフオクが向いている人・メルカリが向いている人まとめ
≪ヤフオク!が向いている人≫
- ECで大きく稼ぎたい
- プレミア品やコレクションを出品/購入したい
- パソコンで管理したい
- ビジネスとして販路を広げたい
≪メルカリが向いている人≫
- 捨てるような不用品をお金に換えたい
- 簡単、安全にECを始めてみたい
- 中古の日用品を出品/購入したい
- スマホで管理したい
ヤフオク!は、様々なジャンルの商品を扱っていることもあって、欲しいものが見つかる確率が高いと言えます。男性向けの商品、マニアックな物、知る人ぞ知るプレミア品などを出品する際には、ヤフオク!のほうが注目が集まりやすいでしょう。
メルカリは、主婦層や女性の利用が多いため、ファッション関連やベビー用品・日用品などが安く手に入ります。また、スマホで簡単に売り買いできたり、分かりやすい操作であることから、EC慣れしていない人でも気軽に始められることが魅力です。