ヤフオクでは、出品者及び落札者の住所や名前などの個人情報を開示しないで配送できる「匿名配送」という方法があります。
匿名配送では、WEB上だけでなく配送伝票にも個人情報が印字されることがなく、プライバシー情報を守りながら、安全に取引することができます。
ヤフオクの匿名配送とは?
ヤフオクで匿名配送を選択すると、個人情報の一部が伏字の状態で表示されます。
氏名:*******
郵便番号:〒124******* 住所:東京都******* 電話番号:******* |
ヤフオクで取引する際には、落札者は出品者に対して、商品の送り先や名前など個人情報を提示しなければなりませんが、匿名配送が設定された商品なら、これらの個人情報を提示しなくても取引が可能です。
犯罪防止という観点から「むやみに自宅の住所を開示したくない」という人にとっては、利用価値の高いサービスです。
ヤフオク匿名配送の仕組みを解説
匿名配送では、出品者と落札者の住所と名前が表示されません。落札されると、両者の個人情報のデータが入っているQRコードが発行されます。
そのQRコードを専用の情報端末で読み取ると、伏字で印字された郵送伝票が発行されます。
郵便局やクロネコヤマトといった運送会社では、専用の機械を通せば個人情報を取得でき、正しい送り先に配送することができます。
このような仕組みから、出品者は手書きで宛先を書く必要もなく、相手の個人情報をむやみに扱う必要もありません。
落札者にとっては、顔の見えない相手に個人情報を提示する必要がないため、プライバシーを守ることができ、様々な犯罪や詐欺行為から身を守ることができます。
ヤフオクで匿名配送をする方法
ヤフオクの匿名配送は、限られた配送方法でのみ利用可能です。
【匿名配送ができる郵送方法一覧】
クロネコヤマト | ヤフネコ!ネコポス | 全国一律225円 |
ヤフネコ!宅急便コンパクト | 444円~ | |
ヤフネコ!宅急便 | 657円~ | |
郵便局 | ゆうパケット | 全国一律210円 |
ゆうパック | 630円~ |
(料金は落札者負担の場合)
出品者が匿名配送で出品する方法
1、出品ページの配送方法を選択する際に、「匿名配送」と提示されている配送方法を選びます。
匿名配送に設定するには、匿名配送に対応している配送方法を選ぶだけです。その他、設定が必要な項目はありません。一度、匿名配送に設定すると、落札された後に匿名配送を解除することはできません。
2、出品すると、出品タイトル近くに「匿名配送」という文字が表示されます。落札者は人目で「匿名配送に対応している商品だ」ということが分かります。
3、落札されると、落札者から落札者情報が送信されてきます。しかし、その情報のほとんどは伏字になっていて、個人情報を見ることはできません。
一方、落札者側も、出品者の個人情報を取得することはできなくなっています。
4、落札者側が支払いを完了すると、匿名配送用のQRコードが発行できるようになります。「配送コードを発行する」をクリックすると自動でコードが生成されます。
5、QRコードが発行されたら準備完了です。スマホを持って郵便局やコンビニに向かいましょう。
6、郵便局またはコンビニで配送手続きを行います。
ヤフネコ!パックであればコンビニやヤマト運輸営業所で、ゆうパック・ゆうパケットなら郵便局または一部コンビニで手続きを行います。
ヤフネコ!パック(ネコポス、コンパクト便、宅急便) |
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ゆうパック、ゆうパケット(おてがる版) |
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6、ゆうパケット(おてがる版)のQRコードを郵便局へ持ち込む例をご紹介します。
郵便局に設置してある専用端末にてQRコードを読み込むと、配送伝票が出力されます。配送伝票には、住所の一部と名前が伏字になっていて、配送会社の専用の機械に通さなければ、個人情報を見ることはできません。
7、送伝票と商品を郵便局窓口に提出して完了です。配送中のトラブルがあれば追跡サービスにて、荷物の位置情報を知ることができます。
落札者が匿名配送で落札する方法
落札者は、欲しい商品に自ら匿名配送を設定することができません。匿名配送になっていない商品を匿名配送設定で落札したい場合は、落札前に出品者に直接交渉する必要があります。
出品者への質問欄から、匿名配送設定でお願いできないかと言った旨を相談してみるといいでしょう。落札前であれば、出品者は該当する商品の配送方法を変更できます。
ヤフオク匿名配送のメリット・デメリット
ヤフオクの匿名配送は、個人情報を提示せず安全に取引できることが大きなメリットですが、一方でデメリットもあります。
出品者側のメリット・デメリット
メリット |
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デメリット |
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出品者は、匿名配送にすることで安全に取引ができるという以上に、送り先を書く手間が省けることが大きなポイントでしょう。何件も取引している場合は、作業の効率化が図れます。
また、手書きでは住所の書き間違えが起こる可能性がありますが、匿名配送ならそういった記入ミスの心配もありません。
デメリットとしては、数件の匿名配送があった場合に、伏字伝票を貼り間違えてしまうトラブルが発生しやすいことです。
また、「商品が届かない」「違う商品が届いた」などの問題が起きた場合には、再度、匿名配送をすることができないというデメリットがあります。
落札者側のメリット・デメリット
メリット |
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デメリット |
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匿名配送に対応している配送料金は、A4サイズ以内であれば全国一律料金になっています。遠方や離島への配送でも安く利用できることがメリットです。
デメリットとして、匿名配送は落札者だけでなく出品者の情報も伏字にできます。そのため、「取引ナビから連絡がこない」といったトラブルがあった際に、限られた情報のみでは対応しきれないといった問題もあります。
出品者から見たヤフオク匿名配送の注意点
匿名配送は安全に取引できるというだけでなく、意識しておきたいいくつかの注意点があります。まずは出品者として注意しておきたい点を見てみましょう。
送り状の貼り間違えに注意する
匿名配送の場合は、所定のコンビニや郵便局に梱包した商品を持込み、その場で出力した送り状を自分で貼り付けるか、店舗スタッフに貼り付けてもらいます。
複数の商品を持ち込む場合は、送り状の貼り間違えに注意しなければなりません。方法としては、中身の見えない梱包物には、どの商品が入っているか把握できるようにしるしをつけておいたり、封筒やダンボールの見えるところに商品名などを記入しておくとよいでしょう。
配送トラブルに対してのサポートの有無を確認する
運送会社によるミスで起きたトラブルに関しては、ヤフオクから補償サービスを受けれます。ヤフネコ!パックの場合はお見舞い制度というサービスが受けられ、落札価格と配送料を合計した同金額を補償してもらえます。(金額上限あり)
しかし、ゆうパック・ゆうパケットについては補償サービスに対応していません。
ヤフネコ!パック | お見舞い制度あり |
ゆうパック・ゆうパケット | 補償なし |
発送方法を選ぶ際は、サポート体制も考慮するとよいでしょう。
落札者から見たヤフオク匿名配送の注意点
落札者としてヤフオクの匿名配送を利用する際に注意したいことをチェックしてみましょう。匿名配送という特徴を逆手にとった詐欺被害も報告されています。
すべての情報が伏字というわけではない
匿名配送といってもすべての情報が伏字になるわけではありません。
匿名配送でも表示される個人情報
・Yahoo!JAPANのID
・郵便番号の上位3桁
・住所の都道府県まで
「すべての情報を提示したくない」という人は、上記の内容を把握しておきましょう。また、メッセージ上に個人の名前や住所を送信した場合は、伏字になりません。
商品の返品や再発送では匿名配送ができない
匿名配送は一度しか利用できません。落札者が返品をお願いしたい場合、また配送トラブルにより再発送をお願いしたい場合は、取引メッセージにて個人情報を提示する必要があります。
匿名配送を利用したくても、なんらかのトラブルが発生した場合、匿名配送ができないことも想定しておきましょう。
匿名発送を悪用した詐欺被害が発生している
匿名配送は、出品者の個人情報も開示されません。そのため、出品者の素性が分からないことを利用した詐欺被害も発生していると言います。
落札者が匿名配送の商品を購入後、出品者から「配送トラブルで到着が遅れているようなので、先に受取評価をしてほしい」と言われます。落札者は言われた通りに受取評価をするものの、その後商品は届かず、さらに出品者から何の連絡も取れなくなるという詐欺もあるようです。
匿名配送を設定していると、出品者の住所や氏名が分からないため、詐欺犯がヤフオクIDを抹消してしまえば、連絡の取りようがありません。警察に届けることもできず、泣き寝入りすることになります。
落札者としてヤフオク利用する時は、商品は必ず手元に届いてから受取評価すること、支払いを完了してから14日以内に商品が届かなければ、取引キャンセルやヤフオク!サポートセンターに問い合わせるなどの対処を行いましょう。
ヤフオク匿名配送は理解した上で利用しよう
ヤフオクの匿名配送は安全便利に取引ができるサービスです。しかし一方で、個人情報が分からないことがデメリットとなって、配送ミスや詐欺被害が発生する可能性もあります。
匿名配送の性質や正しい使い方をチェックして、上手に利用しましょう。見落としがちな弱点にも目を向けることで、想定できるトラブルは確実に回避できます。
ヤフオクの標準機能の他に、高性能な機能を追加したい場合は、ヤフオクに連動している外部ツールを使用してみましょう。
ヤフオクのOPEN APIを使用した出品ツール「オークタウン」では、扱っている商品一覧の中から様々な方法で特定の出品物を検索したり並び替えたりできるので、効率よく管理することが可能です。
例えば「落札された日時順に一覧で見たい」といった場合、商品一覧から自由検索や並び替えを行えば、分かりやすくチェックすることができます。
配送漏れや配送ミスを改善できるオークタウンは無料で利用できます。
初回登録はオークタウン公式サイトへ→オークタウン