ヤフオクは簡単に個人間取引が行えることが魅力ですが、スムーズな取引ばかりではありません。「送る商品を間違えていた」「商品が破損してしまった」などのミスが発生したり、非常識な落札者による未入金やクレームといった、対処が難しいトラブルもあります。
突然やってくる予想外なトラブルに正しく対応できるよう、よくあるトラブル事例とその対処法をチェックしておきましょう。
1.発送したのに「商品が届かない!」と言われた
頻発しやすいトラブルが、発送手続きが完了したにも関わらず、落札者から「商品が届かない」と言われてしまうケースです。この場合、トラブルの要因としては主に3つあります。
- 送り先住所を間違えてしまった
- 間違えた商品を送ってしまった
- 運送会社による配送ミスが発生した
送り先住所の間違い、商品の取り違えは明らかに出品者の管理ミスです。しかし、正しい方法で発送しているのに、商品が届かないのであれば、運送会社によるミスである可能性が高いでしょう。
【対処法】配送ミスは管理を工夫すれば回避できる
出品者の不手際で起きたトラブルは、管理体制を改善すれは事前に回避できます。
●送り先住所を間違えてしまった時
送り先住所の書き間違えが多いのであれば、匿名配送を利用すれば自動で送り状に住所が匿名にて記載されるため、住所を書き間違えることはありません。
誤った住所に配送された場合、運送会社によって商品が返送されることもありますが、そのまま異なった住所に送られてしまうこともあります。
配送過程で紛失してしまった場合は、落札者に落札代金を返金するか同じ商品を再送する手配をします。
●間違えた商品を送ってしまった時
間違えた商品を送らないようにするには、出品物の管理シートを作成して、自分が分かりやすいように一覧で管理することが望ましいでしょう。
商品の保管場所、保管期間、残個数、売却済み商品などを一覧でまとめておけば、商品の管理がしやすくなります。
ヤフオクにはそういった管理システムがないため、自分でエクセルなどを使って作成するか、または外部の出品ツールを利用することで解決できます。
他の商品と取り違えが起きてしまう場合は、梱包した箱や封筒に商品名や目印になるようなマークを書き加えて置けば防止できます。事前にミスを予防できるよう自分なりに工夫してみましょう。
間違えて送ったしまった商品は、落札者に着払いにて返品してもらう手配をし、後ほど正しい商品を再送しましょう。
●運送会社が配送を間違えた時
運送会社による配送ミスは、出品者のミスではないため、運動会社によるサポートが受けられます。
ヤフネコ!パック発送手続きをした商品が、運送会社によるトラブルで未着の場合は、お見舞い制度が受けられます。配送料と落札価格の合計金額が補償されます。(上限あり)
お見舞い制度を受けるには、ヤフオクの審査や有効期限があります。
郵便局が運営しているゆうパック(おてがる版)は事故内容によっては補償をしてくれません。なお、ゆうパケット(おてがる版)は一切の補償に対応していないので注意しましょう。
2.「掲載写真と現物が異なる」と言われた
落札者は出品ページの掲載写真を頼りに購入を決断します。そのため、掲載写真が実物とはあまりにかけ離れている写真であると、落札後のトラブルになり兼ねません。
現物をそのまま撮影した写真を掲載していたのに、落札者から「イメージとは違う!」「こんなものだとは思わなかった」とクレームを受けることもあります。
要因は次のようなことが考えられます。
- 掲載写真と現物の色味が違う
- 落札者がイメージしていたサイズや形が違う
- 傷やシミなど商品に欠損があった
- 付属品や説明書が付いていなかった
よくあるのが「色が違う」というトラブルです。写真が暗すぎて紺色が黒色に見えたり、逆に写真が明るすぎて、黄色が白色に見えたりします。
また、写真では商品の大きさがイメージしづらいという欠点があります。
【対処法】写真だけに頼らず商品説明欄に詳しく記載しよう
写真の色味には注意し、必要であれば写真の色味や明るさを調整しましょう。どうしても色味が正しくでない場合は、商品説明欄で文面にて説明する必要があります。
傷やシミがある場合は隠さずに、アップにした写真を掲載するとトラブルを防止できます。付属品や取扱説明書の有無は商品説明欄で正しく記載します。
写真だけでは補えない情報は、商品説明欄で説明をしてあげると、落札者の安心に繋がりますね。
3.落札者に届いた商品が破損していた
梱包前には破損していなかったのに、落札者の手に届いた時には破損していたというトラブルもあります。
破損した原因は、運送会社の不手際なのか、落札者の扱いが悪かったのかは、確認のしようがありません。落札者が「開けたら既に壊れていた」と言っていれば、正しい手順で対応する必要があります。
【対処法】正しい対応で返品・返金か補償サービスを利用する
念のため、こちらの事情はしっかり報告しておきます。
- 梱包する時には破損していなかったこと
- 開けた時に既に破損していたのであれば、配送中の出来事だったと考えられること
落札者に「わざと破損した商品を送られた」と思われると悪評価に繋がります。こちらの事情を理解してもらうことも大切なことです。
また落札者には、商品の状況を詳しく聞いてみましょう。商品が届いた日時や受取人、その時の状況、また破損した商品の状態を詳しく教えてもらいます。破損箇所の写真は必ず送ってもらい、自分の目で確かめましょう。
できるだけ慎重に話し合いを進めて解決策を探ります。方法は主に3つあります。
- 納得してもらいそのまま使ってもらう
- 交換できる商品があれば新しい商品を送る
- 返品してもらい、全額返金する
返品・返金に至った場合、運送会社のミスによる破損であれば「あんしん補償」を受けられます。
会員限定のお買いものあんしん補償サービスとは?
配送途中の事故で商品が破損した場合は、ヤフオクの補償サービスが受けられます。
運送中に破損した場合、落札金額または修理費用の80%を補償してもらえます。
手続きをする場合は、発送完了のメール内容や運送会社発行の事故証明書を用意します。また、落札者には破損した商品の写真または現物を送ってもらう必要があります。
4.落札者から入金がない
落札された後に、落札者から入金手続きがないというトラブルがあります。
- 落札後に一度も連絡がない
- 連絡はあるが決済手続きをしてくれない
- 落札者から入金したと言われたが入金確認ができない
落札後に一度もメッセージがない落札者もいれば、メッセージがあったのに入金手続きがされないということもあります。
また、「入金した」と言われたのにヤフオクのシステム上では入金完了にならないという複雑なケースもあり得ます。
【対処法】連絡がない場合は落札者を削除できる
入金手続きは、落札から7日以内に行ってもらう必要があります。入金がない場合は、7日の期限を過ぎる1~2日前に再度、入金を催促してみましょう。
7日を過ぎた後に入金したいと連絡があった場合は、銀行振込に切り替える必要があります。
●待っても入金手続きが行われない時
連絡をしても入金手続きが行われなかった場合は、取引をお断りすることもできます。
その際は、「入金がないため、取引を終了させていただきたい」といった趣旨のメッセージを送ってみましょう。その後、落札から42日以内であれば落札者を削除できます。
●「入金した」と言われたのに入金完了の連絡がこない
落札者は入金したと言っているのに、ヤフオクから入金完了の連絡がこない場合は、何かしらのエラーがでている可能性があります。速やかにヤフオクのサポートセンターへ相談してみましょう。
5.落札者から返品・返金を要求される
落札者から入金してもらった後に、何らかの事情で返品・返金を依頼されることもあります。
ヤフオクでは、出品する際に「返品不可」という設定ができます。しかし、返品不可に設定したからと言って、一切の返品をお断りすることはできません。
落札者は返品不可の商品でも、出品ページに掲載してあった内容とは明らかに異なる商品を受け取った時には、返品・返金を依頼することができます。
【対処法】返品・返金方法を相談、必要であればサポートを受ける
まず、返金の対応は2通りあります。
- 商品発送前の返金なら「取引を中止」するをクリック
- 商品発送後の返金なら、取引ナビでその方法を相談する
商品発送前であれば、取引ページにある「取引を中止する」をクリックして、所定の手続きを行えば、返金が完了します。商品を郵送していないため、手続きは簡単です。
商品を発送後に返金の手続きがあった場合は、商品の返品方法と返金方法を相談する必要があります。
商品発送後の返品・返金は理由を聞く
商品が届けられた後に、落札者から返品・返金を依頼された場合は、その理由を聞いてみましょう。
- 明らかに落札した商品とは異なっているものが届いた
- 破損・汚れなどの不備があり利用価値がない
以上のような理由を提示された場合は、返品・返金に応じるべきと言えます。
該当する商品を着払いで返品してもらい、商品の状態を確認後に返金の手続きを行います。
上記の理由の他に落札者都合で返金・返品をお願いされることもあります。
- サイズを間違えて落札してしまったため
- 出品写真と現物のイメージが異なったため
このような落札者の都合での返品・返金はお断りできることもあります。ヤフオクは個人間取引であるため、お互いが納得の上で取引することがマナーです。
落札者の都合による返品・返金に応じたくない場合は、「商品満足サポート」の利用をおすすめしてみましょう。
返品に応じたくない!そんな時は「商品満足サポート」を紹介しよう
商品満足サポートとは「傷や汚れがあった」「サイズが合わなかった」など、商品に満足できなかった場合に、落札金額相当のTポイントを付与してもらえるサービスです。
ただし、利用するにはいくつかの条件があるので、ご紹介する時には利用条件をチェックしておきましょう。
【利用条件】
- 出品物の掲載内容とは明らかに異なる点がある
- 出品者から返金を受け取っていない
- Yahoo!かんたん決済で入金している
- 匿名配送ので商品を発送している
- 落札後30日以内である
- 年に一度の利用に限る
- 金券類・生き物・植物・自動車・オートバイ・食品などのカテゴリー以外であることなど
(詳しくはヤフオク公式サイトをご確認ください)
やむなく返品に応じた時は?出品者が受けられるサポート
出品者が落札者の依頼によって返品に応じた場合は、出品補償を受けられます。
Yahoo!プレミアム会員限定で利用できる「お買いものあんしん補償」のサービスの一部で、返品の際の送料や梱包代金の一部を補償してもらえます。
【補償内容】
落札者の都合で返品された場合に発生した送料、梱包代金を一律1,000円の補償
■条件
- 商品発送後30日以内であること
- 落札価格が3,000円以上であること
■必要書類
- 商品発送完了がわかる取引ナビ画面の出力またはコピー
- 返品された時の配送票または封書
- 返品受取の際に送料、梱包代金の領収書
- 商品の写真
6.落札者から無理な取引交渉があった
ヤフオクで多くの取引をしていると、中には非常識な落札者に出くわすこともあります。
- 執拗な値引き交渉をしてくる
- 取引ナビ以外でのやり取りを指定される
- Yahoo!かんたん決済以外での決済を要求してくる
顔の見えない取引なので、気軽に無理難題を申し出てくる落札者もいます。フリマ出品にて非常識な値引き交渉をしてくる、ヤフオクの規定範囲外で取引を要求してくる、そんなトラブルも少なくありません。
【対処法】できないことはハッキリと断ろう
フリマ出品での値引き交渉は個人間で解決する必要があります。値引き交渉を受けたくない場合は、ハッキリとお断りしましょう。
また、取引ナビ以外でのやり取りやYahoo!かんたん決済以外の取引は禁止行為にあたります。(一部取引を除く)
応じた場合は、何かトラブルがあってもヤフオクのサポートが受けられなくなるので注意しましょう。
7.落札された商品が発送できる状態ではない
出品した商品が落札された後に、商品に不備があったらどうするべきでしょうか?
- 落札された商品が手元にない
- 落札された商品に汚れや破損が発生していた
このような問題が起きた場合は、こちらの不注意ですので速やかに落札者に謝罪しましょう。
【対処法】落札者に謝罪をして取引キャンセルする
落札された商品に不備があった場合は、発送せずに取引ナビから落札者に事情を説明します。謝罪の言葉と発送できない理由を明確に伝え、代わりになる商品がなければ、取引をキャンセルしてもらいましょう。
取引キャンセルは、商品発送前であれば「取引を中止する」という項目でキャンセルできます。
ヤフオク出品時にトラブルを事前回避するテクニック
ヤフオクで発生するトラブルを事前回避するためには、管理体制を整備する必要があります。
ヤフオクのシステムはスムーズな取引ができるようになっているだけで、ミスやトラブルを避けられるような管理体制が整っているわけではありません。
大量の商品を上手に管理するなら、外部の出品ツールを活用してみましょう。
ヤフオクのOPEN APIを使った出品ツール「オークタウン」では、作業効率をアップさせる機能が充実しています。
- 出品中の商品の検索、一括管理ができる
- 取引ステータス別で一括表示できる
- 出品終了分の商品の検索・表示の並び替えができる
例えば、出品終了分の商品を一覧で表示し「入金待ち」のステータスを選ぶと、入金待ちになっている商品だけが表示されます。
この機能を使えば、管理がぐっと楽になりミスやトラブルを軽減できます。また、作業効率化と時間短縮ができるため、売上げUPにも繋がります。
ヤフオクでのトラブルは迅速・適切に対応しよう
やり取りの中で発生するミスやトラブルは適切に対応いかなければ、落札者から悪評価をもらい、売上げを下げる要因にもなり兼ねません。
トラブルの際には正しい手順でやり取りし、もし両者だけでは解決できない場合は、ヤフオクのサポートサービスを利用していきましょう。