1円オークションは、名前の通り1円から入札がスタートするオークションです。実際に、ヤフオク!で開催されているオークションを覗いてみるとわかりますが、1円オークションはヤフオク!の名物になるほど、数多くの1円商品が出品されています。なので、1円で売りたい人がこんなにたくさんいるの?!と疑問に思う人もいるかもしれません。
しかしそうではなく、1円オークションはより高値で落札してもらうための戦略のひとつです。コツをつかめば大きな利益に繋がる仕組みになっているのが、1円オークションの魅力です。
本記事では、1円オークションの仕組みから、高値で売り切るためのコツと実践法をご紹介します。
1円オークションの仕組み
ヤフオク!には、オークション出品と、フリマ出品の2つのスタイルがありますが、1円オークションを行うためには、オークション形式で出品します。1円オークションの基本設定は、オークション形式を選択し、開始価格を1円にするだけで完了です。
1円からスタートすると、設定したカテゴリー内で最も安い商品として表示されます。初めて1円オークションを見たユーザーは「1円で買えるの!?」と驚くこともあるでしょう。その驚きと興味促進こそが1円オークションの狙いです。
1円で出品されている魅力的な商品を見つけたユーザーは、1円という安さから気軽に入札ができます。こういったユーザーが増えれば入札数はどんどん増えていきます。注目度が高まれば、競争心理が高まり、自ずと値が競り上がっていくという仕組みです。
1円オークションのメリットとデメリット
1円オークションには多くのメリットがありますが、必ず認識しておきたいデメリットもあります。
メリット | デメリット |
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【メリット1】安い順で上位に表示される
入札検討者は、安いものから順に商品をチェックすることが多くあります。カテゴリーを選択したり、欲しい商品を検索して表示させた後、表示順を「現在価格の安い順」に設定します。
すると、上位に表示されるのは自ずと開始価格が1円に設定された商品になりますよね。このように、1円スタートで出品すると、他のライバル商品よりも先に表示され、よりユーザーの目にとまりやすいというメリットがあります。
相場価格よりも少し安く設定されたライバル商品なんかよりも、断然、注目されますし魅力的です。当たり前ですが、どんな商品よりもお得感があります。
【メリット2】相場価格を調べる手間がない
オークション出品では、開始価格の設定がとても重要になります。相場よりも高ければ、ひとつも入札がないという失敗もありえます。
そのため、相場価格をひとつひとつ調べて、相場に合った価格設定をするなどの考察が必要になりますが、1円オークションではそのような作業は必要ありません。相場感覚を持っていなくても、手間をかけずに素早く出品できるので作業効率が良いというメリットがあります。
【メリット3】落札されやすい
1円オークションは、落札される確率が高いことが魅力です。最も安い金額で出品しているので当然ですよね。そのため、在庫過剰で回転率をあげたい時、不用品を素早く手放したい時には、積極的に活用していきたい出品方法です。
【メリット4】ウォッチ数・入札数が増えやすい
1円オークションの最大のメリットが入札数が増えやすいことです。1円であれば、注目度が高く、気軽に入札しやすくなります。とりあえず入札して、様子を見てみようというユーザーも多いはずです。そして、入札するユーザーが増えれば、それだけ競争心理が働きやすくなります。
競争相手が多いほど、1人あたりの入札もどんどん増え競争意欲も高まるため、最終的には相場よりも高値がつくケースも少なくありません。1円オークションはユーザー心理を最もうまく活用した出品方法だと言えます。
【メリット5】出品者の好感度が良くなる
相場価格より高い金額で出品している商品は、どこか高飛車なイメージがありませんか?これ以上安く売りたくないという売り手の都合が垣間見えるため、あまり良い印象はもたれません。その点、1円オークションは「商品の価値は買い手に決めてもらう」という落札者目線に立った真摯的な出品方法と言えます。出品者のイメージは決して悪くないですよね。
また、1円オークションを行っている出品者は、オークション上級者という印象もあります。オークションの仕組みをよく知っていて経験も豊富なイメージがあります。このように、出品者の印象が良くなれば、他の出品物をチェックしてもらえる機会も増えるため、ファンづくりにも適しています。
【デメリット1】1円で落札されることもある
ウォッチ数や入札数が増えやすい1円オークションでも、もちろん1円で落札されることもあり得ます。状態が悪いユーズド品や人気のない商品は、安く出品されていても入札数が増えないこともあります。1円落札された場合には、1円で取引しなければなりません。
1円での取引はほとんど利益にはなりませんが、1円オークションは他の商品の利益と合算して考え、費用対効果を見極めることが重要になります。
【デメリット2】不良品や粗悪品だと勘違いされることもある
ユーザーから見ると「1円で出品しているのには何か裏があるのでは?」と思われることもあります。不良品在庫を処分するために安く出品しているのではないか、後から高い料金を別で請求されるのではないかなど、良からぬイメージを持たれることもあり得ます。
実際に、1円出品している商品の中には「送料3,000円」などといった、不当な送料を設定している出品者もいます。こういった騙し打ちに出くわした落札者も多くいるため、1円スタートを行う時は、適切な送料をしっかり掲載してあげることも重要です。
1円オークションで高値で売るための8つのコツ
1円オークションに初めて挑戦する時には、不安もあるでしょう。本当に1円で落札されてしまったらどうしようと考えてしまうこともありますよね。1円オークションで相場よりも高値で落札してもらうためにはポイントがあります。
プレミア品や旬のものを選ぶ
1円オークションで高値の落札を狙うには、商品の注目度がポイントとなります。例えば、類似した出品物が多い商品、質の低下が目立つノーブランドの中古品、付属品や説明書が欠けている商品などは人気が出にくいため、入札が増えずに安値で落札される可能性が高くなります。
1円オークションに向いている商品は、限定品や価値が上昇しているようなプレミア品です。
- 流通している数が少ない限定品
- 直筆サイン入りなど販売されていない商品
- 中古でも価値がついたアンティーク品やプレミア品
- もともと価格が高いブランド品 など
なかなか購入できる機会が少ないものや流通しづらい珍しいものは、相場価格まで競り上がった後も、入札者同士の競争意欲が高まるため、高値での落札が期待できます。
最大の日数で出品する
1円オークションは値が上がるまで時間がかかるため、できるだけ長い時間をかけて競売されるほうがいいでしょう。また、長く出品していたほうが、多くの人の目にとまりやすいという利点もあります。
オークション終了日時は休日の夜にする
最大の日数で出品することはもちろん、それ以上にポイントとなるのがオークションの終了日時です。より多くの入札を狙うなら、一般的にユーザーが入札しやすい休日の夜21~23時の間に終了させるように設定しておきましょう。
特に、日曜日の夜は多くの人の在宅率が高いため、「日曜日の21~23時」が最もおすすめです。そして、ヤフオク!のオークションは終了する30分前に競り合いが急上昇します。たくさんの人に参加してもらえるようにしましょう。
写真はキレイに正確に
1円オークションでも写真はキレイに撮影し、できるだけ価値が高いように見せることが大切です。商品の背景は、畳やフローリングではなく清潔感のある「白」か「黒」をベースにするとよいでしょう。生活感がないほうが高級感を表現できます。
また、商品の色みが飛ばない程度に明るくし、商品の細部まで正確に見えるように撮影しましょう。傷や色褪せがある場合は、下手に隠すよりもしっかり説明したほうが信頼感があります。
使用頻度や動作確認をしっかり掲載する
中古の商品であれば、使用した回数や頻度をきちんと説明します。家電やパソコン関係であれば、動作確認をしてからその旨を提示しましょう。1円オークションは、安値からのスタートになるため、商品の状態を気にする落札者が多くいます。買い手の不安や心配を払拭してあげることを心掛けたいですよね。
アンティークもの、ヴィンテージもの、プレミア品などは、保管状況や入手方法、過去の流通ルートを記載してあげると安心感があります。
メーカーへのリンクや定価を掲載する
メーカーや販売元が分かっていれば、記載してあげたほうが親切です。また、定価があれば参考程度に記載してあげると、商品の価値がわかりやすくなります。「定価12,000円」のものが1円で出品されていたら、入札したくなりませんか?買い手の興味をそそるような見せ方をしてみましょう。
ポジティブな言葉を使う
1円オークションに限ったことではありませんが、オークションはたくさんの人に入札してもらいたいので、できるだけ魅力的な言葉を加えて、購入意欲を誘ってみましょう。
例えば「今だけ限定!10日まで1円オークション開催中!」「100回取引感謝記念!1円オークション大放出!」など、1円オークションでの出品理由を付けてあげると、入札初心者の方でも参加しやすくなりますよね。
また商品の説明には「世界に〇〇個しかない限定商品!」「○○さん(有名人)も使っている!」など、商品価値を高めるアピールポイントをキャッチ―にして、購入意欲を高めましょう。
有料オプションを活用する
1円オークションで、ある程度の入札が集まったら、最終日が近づいたきた頃合いに有料オプションを使うのもひとつの手です。
該当する商品に興味を持ってくれそうなユーザーのページに優先的に表示してくれる「あなたへのおすすめコレクション」や、各カテゴリーの商品一覧で上位に表示できる「注目のオークション」などがおすすめです。注目が集まれば、さらに入札ユーザーを増やすことができますし、ユーザーが増えれば既存の入札者の競争意欲を高めることができます。
有料オプションの利用料金は10~20円程度なので、値が上がれば十分に利益を確保できるサービスです。
1円オークションの取引を上手にこなすためのツール活用
1円オークションの動きを把握するためには、アクセス数やウォッチ数、入札数のチェックが欠かせません。入札の動きを分析できれば、今後の販売戦略のデータとしても活用できます。
入札数と値動きの関係を分析するためには、外部ツールを利用すると便利です。例えば、商品一覧からアクセス数や入札数の多い順に並び替えて管理・分析を行ったり、落札価格が高かった商品の入札数やウォッチ数を比較することができるものがあります。
ヤフオク!のOPEN APIを使った出品・管理ツール「オークタウン」では、そういった商品分析、プロモーション管理に特化したツールが揃い、さらに自動再出品、予約出品、一括大量出品などの便利機能もあります。
1円オークションの出品物が多くなって管理に時間がかかってしまうようであれば、こういった外部ツールの利用をおすすめします。時間と作業の効率化ができれば、自ずと売上げUPにもつながるはずです。