来年三月に終了されることが決定したYahoo!官公庁オークション。仕組みがわからなかったり、書類の手続きが不安だったりと利用したことのない方も多いと思います。ですが、普通のオークションでは見つからないような商品が見つかったり、思いがけないお値打ち価格の商品をゲットできたりと、人によってはかなり有益なサービスとなっています。
特に、バイクが好きな方なら、販売終了したモデルや好みのカスタムがされたバイクを見つけられることもあり一見してみる価値は十分にあるのではないかと思います。今回はそんな官公庁オークションでバイクを購入する方法やメリットなどをまとめます。
官公庁オークションとは?
官公庁オークションでは、税金などの支払いを滞納した個人から、差し押さえで没収されたものが出品されています。自治体は商品の売上で、税金の未納分を返済することを目的としており、なるべく早く現金化したい自治体は一般的な市場価格よりも安い価格帯で出品していることも!
出品されている商品は、土地や家屋をはじめ、時計やジュエリーといった貴金属、絵画や掛け軸といった装飾品、テレビなど、多岐にわたっています。
参加方法は?
官公庁オークションはいつでも開催されているわけではありません。開催は月に一回程度で、入札期間は1週間となっています。参加するにはyahooIDが必要で、ヤフオクを利用されている方ならヤフオクに比べて面倒そう、と感じるかもしれません。どんなものが出品されているかを見るだけ、という気持ちで、まず次の開催日を調べてみるところからスタートしてみるといいでしょう。
開催日の2週間から一か月ほど前から、次のオークションで出品される商品が公開されます。そのなかにお目当ての商品があれば、まずは商品ごとに「参加申し込み」をします。物によっては保証金を支払うものもありますが、これは入札・購入しなかった場合には決済されないので心配はいりません。落札した場合には保証金は落札額の一部として支払われることになります。参加申し込みの時点で名前や住所、クレジットカード情報(保証金もここから引き落とされます)を入力します。
オークションが始まったら、入札開始です。官公庁オークションの場合、「せり売り形式」と「入札形式」があります。せり売り形式は、ヤフオクと同じで、提示されている現段階での最高額より高い金額を提示して、締め切り段階で最高額を提示しているユーザーが落札するという仕組みです。対する入札形式は、他のユーザーの提示金額は公開されず、自分がその商品に支払える最高額を提示し、入札締め切り後に一番高い金額を提示していたユーザーが落札という仕組みです。最高額の提示者が二人以上いる場合は締め切り後に追加入札が行われますが、そうでなければ基本的には一度しか入札できません。締め切り間近で確認していない間にどんどん入札額があがって買いそびれた、というパターンがないため、入札額をこまめに確認できないビジネスパーソンには向いていると思います。
落札したら、各自治体(出品者)の定める手続きを行い代金を支払います。所有権や購入の申請書類、印鑑証明や住民票などの提出書類がある場合もありますが、出品者が官公庁ということもあり丁寧に指示をしてくれるので従っていけばOKです。
官公庁オークションでバイクを買うなら
バイクの購入の場合は、上記のプロセスとは別に、落札前に「下見会」があります。安い買い物ではないですし、基本的には現状引き渡しになるので、購入前にエンジンの不具合がないか、実際の色味など自分の目で確認してから購入するほうがベターです。保管している自治体によっては予約が必要なところもあるので確認しましょう。
下見、入札を終え、晴れて落札ができたら、後は名義変更の手続き書類を送ってもらって自分で名義変更をします。最寄りの陸運局で手続きが必要なので、自分のほうで揃える書類を準備して自治体からの委任状等の書類を待ちましょう。また、配送の手続き(もしくは引き渡し)の打合せや、もしすぐに受け取れない場合には保管を依頼するための書類を提出することになります。そのあたりも先方から指示や提案があるのでそれに従う形でとひとつずつ進めていきましょう。
受け取りに関しては、自分で取りに行ける範囲なら取りに行ったほうが配送料金がかからずコストを抑えることができます。ですが保管されている場所が遠い場合も往々にしてあるので、その場合は輸送の代行サービスなどを利用するといいでしょう。移動距離によって価格は変わってくるため、入札前にあらかじめ無料見積りを申し込み、輸送費用を含めていくらまで支払えるかを考えておくとスムーズです。
官公庁オークションでバイクを購入するメリット
中古車販売業者などもたくさんありますが、そういったところから購入する場合と比較してみても、官公庁オークションでバイクを購入するのにはいくつかのメリットがあります。
まず一つ目のメリットは、販売が終了した、いわゆる「旧車」が手に入る場合があることです。2017年には、すでに絶版となりマニア人気の高いカワサキのZ1100GPや、2000台のみの限定生産で幻となっているドゥカティのPS1000LEなど、希少価値の高いモデルを含む22台が出品され大きな話題になったことも。外装やマフラーなどがカスタマイズされたものも多く見られ、中には車体価格よりもカスタムに費用がかかっていそうなバイクもありますが、それもほぼ本体価格の査定額程度で出品されており「お買い得商品」となっています。手に入らないとあきらめていた夢のバイクが、官公庁オークションでなら手に入るかもしれません。
また、高額なお買い物ということもあり、出品者が官公庁であるというのは安心材料でもあります。一般のオークションでは、相手が一般人であるため車体やエンジンの状態を正確に記載していない場合があり、購入してから「しまった!」という場合もよく聞きます。素人同士だと譲渡書類や委任状のやりとりがスムーズにいかないこともありますが、官公庁が相手なら上にも記載した通り、こちらは言われたことをやればいいだけなので受け身でいられます。
そして、大切に使われていた、状態のよいバイクが市場価格よりお値打ちに手に入るのが何よりのメリット。走行距離が少ないものも多く、絶版車でもなかなか見かけない良い状態で販売されることもあり見逃せません。
バイクを買うなら官公庁オークションをひとまずチェック!
バイクが好きな方で、まだ官公庁オークションをチェックしてみたことがない、という方なら、まずは一度出品される商品を確認してみてください。落札するつもりではなくてもどんな商品があるかをチェックするのも楽しいものです。ツイッターなどでは官公庁オークションがはじまると毎回定点観察しているユーザーもいるほどです。
官公庁オークションで購入すると書類の手続きなどは確かに多少面倒ではありますが、それをしのぐメリットや喜びが見つかるかもしれません。2021年3月にyahoo官公庁オークションは終了予定なので、それまでにお気に入りの一台に出会えるといいですね。